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目立たぬことほど土台となっている

こんにちは、カナ文字工房の関 香奈枝です。
今回は「目立たぬことほど土台となっている」というテーマで、話を進めていきます。

私は、テープ起こしの仕事を初めて、(2017年8月31日現在で)4年が経過しようとしています。この仕事はまさに黒子といえるでしょう。いってみれば、『影の仕事人』でしょうか。なぜ黒子なのかというと厳しく守秘義務が課せられているからです。堂々と「この作品を手がけました」「この人の音声を起こしました」と公表することはできません。ましてやどんな音声の内容だったかを人に話したり、書き起こした原稿を人に見せたりするなど、もってのほか。口が堅くなければ、この仕事はできません。

この仕事を始めて初期の頃、黒子であることを悲しく感じてしまうことがよくありました。人から職業を聞かれて「テープ起こしと聴覚障害者用日本語字幕制作です」と話すのですが、必ずといっていいほど「?」という反応をされてしまいます。なぜか怪しいと思われてしまうようです。最近でこそ「在宅でできるお仕事ですよね」、「ああ、テレビに字幕が付いてますよね」と言ってくださる方もいるようになりましたが……。中には「内職ですよね」という声もあります。職業について聞かれるとき、まだまだ人々に知られていない仕事を自分はしているのだと実感するのです。そして悲しくなります。

でも、いつまでも悲しみにひたっているわけにはいきません。締め切りはありますし、何より生活していかなければならないのですから。そして私は仕事について悲しく感じるとき、私は中学時代に部活の顧問教諭から聞いた話を思い出して頭の中を切り替えていきました。

(ブラスバンド部顧問の話)
「器楽合奏のためにパート分けすると、必ずといっていいほどメロディーを奏でる楽器に希望者が集中するの。どんな人でも、目立つ分かりやすいことをやりたいものなの。

でもね、音楽で本当に大事なパートは打楽器や低音楽器よ。低音楽器と打楽器、これらの楽器は音楽の土台なの。

だから、低音楽器と打楽器担当の人は、あなたたちが音程とテンポを安定させていることで音楽が初めて成り立つことを、よく覚えておきなさい」。

確かに低音楽器と打楽器の演奏がしっかりしていなければ曲は曲にならないことが、演奏してみて実感できました。低音楽器や打楽器は目立たないけど、どれも必要不可欠なのだと実感したのを今でもはっきりと覚えています。

書き起こしにしても、同じことが言えるでしょう。作業自体はとても根気が要るし、地味なものです。また、書き起こし原稿はほかの人によって編集されたのちに利用されるので、そのままのかたちをとどめておくことはありません。しかし、表記や字数制限などをしっかりと守って作業することにより、書き起こし原稿を活用する人々にとってしっかりとした土台となることも事実です。

まだまだ未熟者の私ですが、しっかりとした表記を心がけていきたいです。手がけた書き起こし原稿が、誰かの目的の土台となれるように。

今回も、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
この記事が、あなたの何かに役立てば幸いです。

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